近年、エコ、サスティナブルという言葉が日本でも飛び交う様になりました。
欧米に比べて日本は意識レベルも低く国としても企業としても取り組みが遅れています。
こればかりは仕方ないのでこれからでも一人一人の意識レベルを上げて大事と捉えず、
出来ることを少しずつやって習慣化させていけば良いだけのことだと思っています。
企業がその言葉を使い過ぎるのはどうしても胡散臭いし、してるアピール合戦みたいな
感じがこの2,3年目立ってしまってたのも事実です。
サスティナブルとはそもそも「持続可能な」という意味なのでぜひ継続して頂きたいです。
この辺りの話はまた別で僕なりの考えを書きたいと思っています。
また、オークションサイトやリサイクルアプリなどの台頭により誰でも簡単に出品、
言い換えると販売ができる様になったことで様々な問題が浮き彫りになりそのまま放置
されていることも多く今後の課題となっていくとも思いますし、法の見直し含めて政府が
動いていかねばならないことが山積みです。「転売ヤー」問題もその一つですね。
もともと転売とは限定品など希少性の高い販売数が決まってるものを購入して定価以上で
販売することで、よくナイキやシュープリームなどで行列が出来てたあれです。
個人的にはあれはなんか納得できてたんですよね。ただ、今の転売というのは少し違って
転売ヤーが単純に買い占めて市場から消えて無理やり希少価値を上げてることが多い。
そもそも限定品ではないので、再販が不定期とは言えあるにも関わらずです。
これってメーカー側も迷惑で一見売れてる様で追加生産しても実は表市場にないだけで
ネット界隈での転売品が大量に売れ残ってるという事もあり得て下手すると売れない。
また、ターゲットになってしまったメーカーやブランドのイメージが下がるケースも。
アパレル業界に限らない話なのでこれは本当に早急に対策を政府が取らないと各企業が
対策するにはなかなか難しい話です。やってるのは日本人だけではないですし。
そして、この2,3年のコロナの影響というのもかなり大きいものだと言えます。
価値観の変化、生活環境の変化もありますし、ネットを利用しての売買が急増しました。
それにより素人玄人の判別がつきにくいことも多くなったんではないでしょうか?
以前からコピペに対しての考え方が人によって異なる事が怖いとは思っていましたが、
今は何も悪い事はしてないと思っている人があまりにも多く、他人、お店、企業の
WEBページの文章や写真を無断でそのまま掲載してたりすることも目立ちます。
自分も仕事上、文章を書いたり写真を撮影する事は多いですが、それなりの労力と
時間と知識が必要です。それを無断で当たり前に使用してる人が多い事は非常に怖い事です。
コピペ自体の否定ではなくそれを営利利用してる方が多過ぎる事を問題視しています。
僕も何かの参考に写真はストックする事はあるので便利な機能ではありますが・・・
随分と前置きが長くなってしまいましたが、本題はVINTAGE、NEW VINTAGE、USED、
REUSEなど最近目にすることが多くなった英単語の話です。
リサイクル、リユースショップが近年急増し、また安価なユーズドを販売する大型店も
全国各地に出店してるのが目立ちます。これ自体はいい事だと思いますし、日本には
それだけたくさんの洋服があるわけです。洋服にお金をかける金額は世界的に見ても
高いと言われてるファッションビジネスとしては絶対に無視できない国なくらいです。
先ほどの英単語は大雑把にいうと全て「中古品」です。定義というのはないはずですが、
同じ中古品でもVINTAGEは大体30年以上前の物で今でも価値のあるものを指します。
もしかしたら、古着屋さん達の中では若干解釈が違って70年代以前のものを指してるかも。
その辺りから既にブレブレなんですけど(苦笑)要は90年代に古着ブーム、デニムブームが
あったので、その頃からすると80年代の物って古くなくて時代が経ってもその感覚のままの
古着屋さん達が意外と少ないくないっぽいんです。世代による感覚の差でもあるでしょう。
そこで生まれた新語みたいなNEW VINTAGEっていうのは80、90年代の物で今でも価値の
ある服のことを指します。USEDはそのまんまと言えばそのまんまで中古品(古着)です。
年代は関係ありそうですが、ありません。古くても価値がなければただの古い物です。
REUSEは直訳すると「再利用」なので実は先述した言葉とは意味合いが変わります。
中古品では変わりないですが、年代も価値も関係ありません。また、DEAD STOCKという
言葉も古着屋さんでは言われたり見かけたりすると思いますが、コレも直訳通りです。
DEAD STOCKだからといって全ての物に価値がある訳ではないので判断が難しいです。
コロナの影響により日本だけでなく海外でもアパレル業界は不況で多くの在庫を抱え、
また倒産も多いです。逆にいうと、DEAD STOCKと名乗れる物が大量に市場に出回ります。
アメリカの百貨店やブランドの倒産はそういう意味では掘り出し物を安く手に入れる
チャンスだと考え動いたバイヤーも少なくないでしょうね。「DEAD STOCK」という
響きだけで欲しくなる衝動を抑えて冷静に判断しましょうね。
ただ、掘り出し物というか価値ある物も必ずあるので狙い目であるのは間違いありません。
例えば、写真のチャーチの靴ですが、これは70~80年代のデッドストックです。
チャーチは歴史も古く、インソックの刻印により年代が判別できるため、
コレクターを刺激するブランドの一つなんです。これは刻印がLONDONとNEW YORKの
2都市なので70~80年代だと判別できます。旧旧チャーチやオールドオールドチャーチと
呼ばれています。デッドストックでこの年代の物だったら定価以上の値を付けても
全く問題ないくらい付加価値がある物でしたが、数年前37,000円で販売しました。
おそらく破格の値段じゃないでしょうか?購入された方がどの様に履き、メンテをして
今後どの様にされるかは分かりませんが、いい状態を保てば保つほど価値は上がりますね。
これらの世界って知ってたら無茶苦茶楽しくなりますが、知らなかったら損したり
騙されたりすることもあるので気をつけないければいけません。逆に知らない人ばかりに
なってしまうとVINTAGEや価値あるDEAD STOCKという物に対しての値付けが難しくなる
時代もいつか来るのかもしれません。知らない人には入りにくい古物商みたいになるかも。
年代だけでVINTAGEと謳ってたり、そこまで古くないのにVINTAGEと言ったり、
この辺りは言ってる側が意図的なのか無知なのかが分からないのでなんとも言えません。
リサイクルアプリでは「古着屋」を名乗ってる出品者が多数いますが、商品紹介では
「素人のため〜はご容赦下さい」などの文章を記載してる人?店?も多いです。
僕自身、リサイクルアプリやオークションというのは賛成派なので格好いい古着屋で
買おうが、大型リサイクルショップで買おうが、自分が気に入った物を納得してるので
あればいいと思います。意外と価値ある物をかなり安価で見つける事もありますから。
なかなか大変だし確率は低いですが。ヴィンテージを多く扱っているお店には高額の物が
多く並びますが、価値のある物がちゃんと並んでいます。こういうのって市場価値を
リサーチして値付けしてますが、良くも悪くも今はネットで検索すると大体分かるので
どこも大体同じ値段なんですよね。個人的にこれが面白くない(苦笑)
服にしてもレコードにしても昔はあっちこっち実際にお店回って安い物を探してました。
もちろん、物を買った後に他店でもっと安くて良い物があったって事もあります。
ただ、それもひとつの醍醐味でしたし、逆に買った物に対して愛着が湧いたものです。
個人的にヴィンテージなどに極度のこだわりはないですが、好きです。
ただ、市場的に価値ある物やブランドよりも結局は安くて面白い物の方が好きです。
また、いつか題材にしてブログに書きたいですが、年代によって異なるタグを展開してる
ブランドにはついつい惹かれてしまいます。もちろん、物ありきではありますが。
trunkではLILY1ST VINTAGEを展開していますが、これは一般的な古着、ヴィンテージとは
解釈というか価値観が異なるので市場価格無視での値付けの物がほとんどです。
高く感じるものもあれば安く感じるものも沢山あります。
たまにお客さんから指摘されます(苦笑)「これ、安過ぎるからもっと高くするべき」って。
これくらいのスタンスが僕には心地いいです。
近年、アパレル業界でも値上げ続きでしたが、本番は今年からと思っていいと思います。
仕方ない事とは言え、値上げした金額の価値が本当にある物がどれだけあるかは疑問です。
僕自身が販売する側でもあり、一人の消費者側でもあるので両面で見る様にしてます。
だからこそ、今まで書いてきたことを理解して少し調べて知識を蓄えて賢く買い物を
楽しんで欲しいです。新品だけでなく程度の良い中古の服でも靴でも良いじゃないですか。
もちろん、個人差というか価値観の相違はあるので中古品でも良いという方にだけに向けて
書いています。新品を販売してる者がこういうことを勧める事ではないかもしれませんが、
僕自身の解釈、物差しではありますが、長年買い付けてるブランドでも値段を下回る
クオリティだと感じれば買い付けしません。そもそも売れる物を買い付けするというより
自分がいいと思う物、着たいと思う物、値段以上の満足感を得られる物を買い付ける様に
お店を始めた時から心掛けてます。これだけはブレずに続けたいですね。
まだまだ書き足りないくらいですが、ちょっと長過ぎるのでまた別の機会にでも
書ければいいかなと思っております。それでは、また。