2.03.2015

スーツのススメ

色には様々な意味があります。好きな色でその人の性格も見えてくるほどです。
歳を重ねる毎に身につけるモノの色が変わったりしませんか?

僕は若い頃から黒色に魅かれることがありませんでした。

同時に紺色も黒色に近いのでどちらかというと敬遠する色でした。
キャメル、ベージュ、ブラウンの洋服がほとんどを占めていました。

差し色では圧倒的に赤色。まわりからは赤色は僕のイメージだとも言われます。


15年前にこの業界に入ってからスーツの世界に足を入れた時にも「スーツの基本」

というのも無視してチェスナットのストレートチップのエドワード・グリーンの靴を
買ったくらいです。もう少しさかのぼると入社式用に買ったスーツはベージュ、
それに合わせよう買った靴はエンツォ・ボナフェの真っ赤なモンクストラップでした。

ネクタイもピンクだったりグリーンだったりブラウンの無地、派手なプリントでした。

とにかく目立ちたかった、人と違う格好をしたかったという想いが強かったんです。

そして、本当のスーツの着こなしというモノに出会い、感化されてジョン・ロブの

黒のストレートチップを買いました。そして、生意気にもバーニーズで常時オーダー
可能だったベルベストをオーダーしました。ヘリーンボーンのアズーロ生地でした。
ネクタイも無地ネイビー、ドット柄をいろんなタイブランドのモノを買いました。

ようやく2年目にして「スーツの基本」というものを学びました。


ただ、それからもなかなかネイビーのスーツを着ることは少なかったですね。

魅かれるネイビーの無地になかなか出会うことがなくグレー、ブラウン、ベージュが
結局多くなりました。映画「ゴッドファーザー」に多大な影響も受けてた時期です。

自分でお店をするようになってネイビーの比率はかなり増えてきたように思えます。

紺色のイメージというのは「落ち着き」「重厚感」「真面目」「知的」などが
挙げられます。そして、その色を選ぶというのはそれらの状態になっている時、
もしくはそれらの状態を欲している時だとも言われています。なるほど・・・

僕はネイビーを身に纏う時はあまり差し色を用いません。極力シンプルに

コーディネートをすることが多いです。華やかな場に行く時は赤系を差します。
先日、ご紹介したばかりのElephant Blancのセットアップもこんな感じです。



ブルックスブラザーズ・ブラックフリースのギンガムチェックのBDシャツに
マリアーノ・ルビナッチのシルクタイ。どちらもネイビーです。
Elephant Blancにこのようなブランド、アイテムを合わせるというのは良いのか
分かりません。おそらく展開しているお店さんではやらないと思います(苦笑)
僕はアリだと思っていますけど。逆にこのように合わせたいんです。

靴をクラシカルにするとカッチリなりますけど、ちょっと遊びたいなということで、


hender schemeのネイビーのネオモンクを。ジョン・ロブのダブルモンクでも
合うと思うんですがフォルム、ディティールが違うだけで印象は変わります。
ネイビーでまとめたかったというのもあるんです。白とネイビーのみ。

春夏になったらhender schemeのモンクストラップのサンダルとも合わせてみたい。
もちろん、ウエストンのローファー、ゴルフとも。ジョン・ロブとも。
ムーンスターのハイカットと合わせてもいいんじゃないかなと。スニーカーの時は
差し色を使ってもいいなと思うので黄色のハイカットが気になってます。


ネクタイは非常にクラシカルなモノですが、生地にハリコシがあるシルク、
マリアーノ・ルビナッチらしいスフォデラート。だから相性はいいかなと。


今となっては日本ではあまり見かけなくなって買いにくいかもしれないですが、
僕はここのネクタイは好きですね。非常に結びやすい。特にシングルノットで
ディンプルを深く入れたい派にはたまりません。いいブランドですね。

僕はネクタイは基本的にクラシカルなモノをきちんと作るブランドのモノが好きです。
遊びのあるモノではキンロックのネクタイはプリント柄がユニークで好きです。

スーツ、ジャケットの作り、テイストは違えどネクタイはやはりクラシックに
限ると思っています。ただ、生地、芯地なんかは相性があるのでそこは気をつけます。
最近はあまり着ていませんが昔はkolorのジャケット、セットアップにもクラシカルな
ネクタイをしていました。「そんなの嫌だ」という方も多いとは思いますが。

近年、ファッションのムードがすべてリラックス傾向になっています。
それは、今の時代に対しての反動だったり解毒剤効果だったりすることなので、
必要な要素だとは思いますが、ファッションが持っていた良い意味での緊張感
というものが薄れてきてることに個人的に「これでいいのかな?」と思います。

匂い、雰囲気をきちんと持った、素材、パターンへのこだわりのあるセットアップを
trunkではピックアップしています。良い意味での緊張感を持つために。
タートルネックを着たり、ネクタイ、スカーフなど巻物を巻いたり。たまには
もっとくだけた感じでリラックスした着方でもいいと思います。

そんな気分を少しでも感じて頂けたらいいなと思っています。