1.08.2023

VINTAGE? NEW VINTAGE? USED? REUSE? 簡単なのに難しい英語の日本語解釈

 


近年、エコ、サスティナブルという言葉が日本でも飛び交う様になりました。
欧米に比べて日本は意識レベルも低く国としても企業としても取り組みが遅れています。
こればかりは仕方ないのでこれからでも一人一人の意識レベルを上げて大事と捉えず、
出来ることを少しずつやって習慣化させていけば良いだけのことだと思っています。

企業がその言葉を使い過ぎるのはどうしても胡散臭いし、してるアピール合戦みたいな
感じがこの2,3年目立ってしまってたのも事実です。
サスティナブルとはそもそも「持続可能な」という意味なのでぜひ継続して頂きたいです。
この辺りの話はまた別で僕なりの考えを書きたいと思っています。

また、オークションサイトやリサイクルアプリなどの台頭により誰でも簡単に出品、
言い換えると販売ができる様になったことで様々な問題が浮き彫りになりそのまま放置
されていることも多く今後の課題となっていくとも思いますし、法の見直し含めて政府が
動いていかねばならないことが山積みです。「転売ヤー」問題もその一つですね。

もともと転売とは限定品など希少性の高い販売数が決まってるものを購入して定価以上で
販売することで、よくナイキやシュープリームなどで行列が出来てたあれです。
個人的にはあれはなんか納得できてたんですよね。ただ、今の転売というのは少し違って
転売ヤーが単純に買い占めて市場から消えて無理やり希少価値を上げてることが多い。

そもそも限定品ではないので、再販が不定期とは言えあるにも関わらずです。
これってメーカー側も迷惑で一見売れてる様で追加生産しても実は表市場にないだけで
ネット界隈での転売品が大量に売れ残ってるという事もあり得て下手すると売れない。
また、ターゲットになってしまったメーカーやブランドのイメージが下がるケースも。
アパレル業界に限らない話なのでこれは本当に早急に対策を政府が取らないと各企業が
対策するにはなかなか難しい話です。やってるのは日本人だけではないですし。

そして、この2,3年のコロナの影響というのもかなり大きいものだと言えます。
価値観の変化、生活環境の変化もありますし、ネットを利用しての売買が急増しました。
それにより素人玄人の判別がつきにくいことも多くなったんではないでしょうか?

以前からコピペに対しての考え方が人によって異なる事が怖いとは思っていましたが、
今は何も悪い事はしてないと思っている人があまりにも多く、他人、お店、企業の
WEBページの文章や写真を無断でそのまま掲載してたりすることも目立ちます。

自分も仕事上、文章を書いたり写真を撮影する事は多いですが、それなりの労力と
時間と知識が必要です。それを無断で当たり前に使用してる人が多い事は非常に怖い事です。
コピペ自体の否定ではなくそれを営利利用してる方が多過ぎる事を問題視しています。
僕も何かの参考に写真はストックする事はあるので便利な機能ではありますが・・・


随分と前置きが長くなってしまいましたが、本題はVINTAGE、NEW VINTAGE、USED、
REUSEなど最近目にすることが多くなった英単語の話です。

リサイクル、リユースショップが近年急増し、また安価なユーズドを販売する大型店も
全国各地に出店してるのが目立ちます。これ自体はいい事だと思いますし、日本には
それだけたくさんの洋服があるわけです。洋服にお金をかける金額は世界的に見ても
高いと言われてるファッションビジネスとしては絶対に無視できない国なくらいです。

先ほどの英単語は大雑把にいうと全て「中古品」です。定義というのはないはずですが、
同じ中古品でもVINTAGEは大体30年以上前の物で今でも価値のあるものを指します。
もしかしたら、古着屋さん達の中では若干解釈が違って70年代以前のものを指してるかも。
その辺りから既にブレブレなんですけど(苦笑)要は90年代に古着ブーム、デニムブームが
あったので、その頃からすると80年代の物って古くなくて時代が経ってもその感覚のままの
古着屋さん達が意外と少ないくないっぽいんです。世代による感覚の差でもあるでしょう。

そこで生まれた新語みたいなNEW VINTAGEっていうのは80、90年代の物で今でも価値の
ある服のことを指します。USEDはそのまんまと言えばそのまんまで中古品(古着)です。
年代は関係ありそうですが、ありません。古くても価値がなければただの古い物です。
REUSEは直訳すると「再利用」なので実は先述した言葉とは意味合いが変わります。
中古品では変わりないですが、年代も価値も関係ありません。また、DEAD STOCKという
言葉も古着屋さんでは言われたり見かけたりすると思いますが、コレも直訳通りです。
DEAD STOCKだからといって全ての物に価値がある訳ではないので判断が難しいです。

コロナの影響により日本だけでなく海外でもアパレル業界は不況で多くの在庫を抱え、
また倒産も多いです。逆にいうと、DEAD STOCKと名乗れる物が大量に市場に出回ります。
アメリカの百貨店やブランドの倒産はそういう意味では掘り出し物を安く手に入れる
チャンスだと考え動いたバイヤーも少なくないでしょうね。「DEAD STOCK」という
響きだけで欲しくなる衝動を抑えて冷静に判断しましょうね。
ただ、掘り出し物というか価値ある物も必ずあるので狙い目であるのは間違いありません。

例えば、写真のチャーチの靴ですが、これは70~80年代のデッドストックです。
チャーチは歴史も古く、インソックの刻印により年代が判別できるため、
コレクターを刺激するブランドの一つなんです。これは刻印がLONDONとNEW YORKの
2都市なので70~80年代だと判別できます。旧旧チャーチやオールドオールドチャーチと
呼ばれています。デッドストックでこの年代の物だったら定価以上の値を付けても
全く問題ないくらい付加価値がある物でしたが、数年前37,000円で販売しました。
おそらく破格の値段じゃないでしょうか?購入された方がどの様に履き、メンテをして
今後どの様にされるかは分かりませんが、いい状態を保てば保つほど価値は上がりますね。

これらの世界って知ってたら無茶苦茶楽しくなりますが、知らなかったら損したり
騙されたりすることもあるので気をつけないければいけません。逆に知らない人ばかりに
なってしまうとVINTAGEや価値あるDEAD STOCKという物に対しての値付けが難しくなる
時代もいつか来るのかもしれません。知らない人には入りにくい古物商みたいになるかも。

年代だけでVINTAGEと謳ってたり、そこまで古くないのにVINTAGEと言ったり、
この辺りは言ってる側が意図的なのか無知なのかが分からないのでなんとも言えません。
リサイクルアプリでは「古着屋」を名乗ってる出品者が多数いますが、商品紹介では
「素人のため〜はご容赦下さい」などの文章を記載してる人?店?も多いです。

僕自身、リサイクルアプリやオークションというのは賛成派なので格好いい古着屋で
買おうが、大型リサイクルショップで買おうが、自分が気に入った物を納得してるので
あればいいと思います。意外と価値ある物をかなり安価で見つける事もありますから。
なかなか大変だし確率は低いですが。ヴィンテージを多く扱っているお店には高額の物が
多く並びますが、価値のある物がちゃんと並んでいます。こういうのって市場価値を
リサーチして値付けしてますが、良くも悪くも今はネットで検索すると大体分かるので
どこも大体同じ値段なんですよね。個人的にこれが面白くない(苦笑)

服にしてもレコードにしても昔はあっちこっち実際にお店回って安い物を探してました。
もちろん、物を買った後に他店でもっと安くて良い物があったって事もあります。
ただ、それもひとつの醍醐味でしたし、逆に買った物に対して愛着が湧いたものです。

個人的にヴィンテージなどに極度のこだわりはないですが、好きです。
ただ、市場的に価値ある物やブランドよりも結局は安くて面白い物の方が好きです。
また、いつか題材にしてブログに書きたいですが、年代によって異なるタグを展開してる
ブランドにはついつい惹かれてしまいます。もちろん、物ありきではありますが。

trunkではLILY1ST VINTAGEを展開していますが、これは一般的な古着、ヴィンテージとは
解釈というか価値観が異なるので市場価格無視での値付けの物がほとんどです。
高く感じるものもあれば安く感じるものも沢山あります。
たまにお客さんから指摘されます(苦笑)「これ、安過ぎるからもっと高くするべき」って。
これくらいのスタンスが僕には心地いいです。

近年、アパレル業界でも値上げ続きでしたが、本番は今年からと思っていいと思います。
仕方ない事とは言え、値上げした金額の価値が本当にある物がどれだけあるかは疑問です。
僕自身が販売する側でもあり、一人の消費者側でもあるので両面で見る様にしてます。
だからこそ、今まで書いてきたことを理解して少し調べて知識を蓄えて賢く買い物を
楽しんで欲しいです。新品だけでなく程度の良い中古の服でも靴でも良いじゃないですか。

もちろん、個人差というか価値観の相違はあるので中古品でも良いという方にだけに向けて
書いています。新品を販売してる者がこういうことを勧める事ではないかもしれませんが、
僕自身の解釈、物差しではありますが、長年買い付けてるブランドでも値段を下回る
クオリティだと感じれば買い付けしません。そもそも売れる物を買い付けするというより
自分がいいと思う物、着たいと思う物、値段以上の満足感を得られる物を買い付ける様に
お店を始めた時から心掛けてます。これだけはブレずに続けたいですね。

まだまだ書き足りないくらいですが、ちょっと長過ぎるのでまた別の機会にでも
書ければいいかなと思っております。それでは、また。

1.06.2023

THE FIRST SLAM DUNK

 


2016年1月を最後にずいぶん長らく更新してなかった「trunk SIDE-B」を今年から
更新していこうかと思っております。洋服の話もしますが、なんでもありの予定です。

久しぶりの更新は昨年末に観た「THE FIRST SLAM DUNK」について書こうかと。
今後観る予定の方は読むのをお控え下さい。この映画は事前情報無しで観るのが最善です。

写真のカードの裏面にはQRコードが付いてて飛んでみるとこのイラストがARによって
動くという特典が付いてました。映画館での説明は皆無でしたが(苦笑)
たまたま捨てずに持って買ってきましたが、言われないと捨てる人はいると思います。
下部に「NOT FOR SALE」と記載されてますが、今のご時世お構いなしの人居そうです。
貰ったけど、裏面すら見てないという方はこの機会にぜひ。

SLAM DUNKを読んだのは中学生の頃からだったと思います。僕自身バスケしてたんですが、
今も昔もバスケ漫画って少なく野球やサッカー、テニスを題材にしたものが多かったです。
スラダンを読む前はDEAR BOYSを読んでました。もっと遡ると幼稚園くらいの時に
ダッシュ勝平を読んでたというかアニメで見てた記憶があります、薄らですが。

そもそもスポーツ漫画ってスポーツ自体の内容はリアリティはないものが多く、
必殺技の様なものがあることで子供たちが真似するみたいな流れがありました。
キャプテン翼がその代表的なものですよね。細かいルールもどうでも良くてとにかく
「真似したい」衝動で日々サッカーボールを蹴ってました(苦笑)

スラダン自体スタート時には最終話の様な絵のタッチ、状況など誰も想像できないほどの
コメディ要素しかない、なんならバスケを借りたお笑い漫画とさえ思ったほどです。
話が進むにつれて徐々に徐々にあの様な形になっていきました。
井上さんご自身がバスケ好きというのもありキャラクターの裏側に見えるNBA選手を
言い当てたりプレー自体も「あの時の誰々のプレーだ」なんて思いながら読むのが
面白かったですね。コミックは2度集めては手放し、数年前に3度目の収集となりました。

「THE FIRST SLAM DUNK」に関しては事前情報がない方が良いとは言いましたが、
僕は声優さんが変わってオープニング曲がThe Birthdayだと言うことは知ってました。
声優さんの件は様々なところで賛否分かれた様ですね。

僕は学生時代に邦楽だとミッシェルガンエレファントをよく聴いてました。好きでしたね。
洋楽だとブリットポップ全盛だったのでそれらとそれらのルーツとなるもの聴いてました。
友人が既にバンド組んでブリットポップのコピーをしてたんですが、僕もミッシェルの
ライブ行って「G.W.D」のベースに痺れてベースがやりたくなりライブの帰りに友人に
掛け持ちでバンドやろうってことで数日後ベースを買いに行きました(笑)

チバさんのイメージ的にアニメに曲を提供するイメージがなかったので初め聞いた時は
単純に驚きましたし、良いイメージを持てませんでした。

ところがです。

映画のオープニングで鳥肌立ちました。スクリーンに映し出されるドローイングと
「LOVE ROCKET」のマッチングがとんでもないんですよね。あれはカッコいい。
オープニングシーンのPVが欲しいです。ループでずっと流してられます。
掴みはオッケーとはこのことかと言わんばかりで前のめりで観てました。

全編通して「あ〜、こうきたか」というのが感想なんですが、そもそもストーリーを
完全に知ってるわけなのでこう思えただけでも僕は凄い事だと思っています。
内容知ってるのに何度かうるっときて涙ぐんでましたし(苦笑)
もともと井上さんの作画はアニメ向きだとは思ってないんです、昔から。
好きなシーンはオープニングのところと試合ラスト1分の無音のところなんですよね。
もちろん、今回のモーションキャプチャーによる作品は想像してたよりもはるかに
滑らかで違和感なく見ることができましたが、あくまでも個人的な好みの問題ですね。
ただ、アニメにするならという点では非常に高いクオリティの作品だと思います。

もともと音がないのが漫画なので如何に音がなくても音を感じさせるかみたいなものを
思いながら描いてる作家さん多いと思ってますし、個人的にそれを感じる作家さんが
好きです。そして、冒頭でも書いたコミカル要素を極力控えてなんなら全カットくらいの
勢いでしたね。漫画だとわりとクローズアップされてた箇所ほどカットでした。

リョータを中心にストーリーを組み立てた事である程度のシリアスさが必要だったのも
あると思いますし、声優交代の理由には十分すぎる仕上がりだったと思いました。
桜木でもなく流川でもなく三井でもなく赤木でもなくリョータにクローズアップした事は
いろんな意味でよかったんじゃないでしょうか。原作では一番掘り下げられてないキャラ
なので知りたい人もいたでしょうし、触れてない分後付けで作りやすかったと思います。
多少の設定のズレみたいなものだったら大目に見れますしね。

そもそもできるだけリアルにバスケを表現するにあたり声はそこまで必要なく、なんなら
声がなくても何も問題ないくらいです。声優さんには失礼だとは承知ですが、今となっては
誰がどんな声だったか思い出せません。僕だけかもしれませんが(苦笑)

昔のアニメはコミカル要素多めなのである意味今回の「THE FIRST SLAM DUNK」は
もう一つのスラムダンクと言っていいかもです。
TV版では今回の話までは制作されてないのでなんとも言えませんが、あのノリで山王戦を
作ってたら・・・と想像すると作ってなくて良かったのかもと思いました。

上述しましたが、スポーツをある程度リアル寄りに振った漫画やアニメって少ないですが、
「THE FIRST SLAM DUNK」が今後のスポーツアニメの基準になった事で良くも悪くも
ハードルがかなり高くなった事は間違い無いと思いますし、日本だけでなく海外でも
この映画はウケるクオリティに仕上がってるんじゃないでしょうか。

現実的に無いだろうとはわかってますが、スラダンの全編新作の映画を観てみたいと
思ってる人は少なくないと思っています。いや、観たいですね〜。

長々と文章ばかりになりましたが、こんな調子でSIDE-Bは更新していく予定ですので、
暇つぶしにでも読んでいただけるくらいの内容にはしていきたいと思います。