4.24.2023

20年周期のカルチャーをプラモデルに見る


コロンとしたフォルムが可愛らしいクルマに見たことのあるステッカーが。VANですね。
このクルマはスバル360 レーシング仕様になります。

マイクロエース オーナーズクラブシリーズになります。1/32スケール。

60年代半ばに流行ったクルマの一つです。そして、VANもその当時流行ったブランド。


日本車というのもあるので「TAKE IVY」よりこっちの方がしっくりくるかもですね。
塗装も実車に近付ける塗り方はしてないので、イラストと並べると良い感じです。
 

本の中にこんなページがありました。ビートルを選んでたんですって。
でもみんながみんな外車に乗ってたとは思えないので代替えの車があったはず。

このスバル360って別名「てんとう虫」なんです。ちょっとビートルに似てませんか?
当時も似てるということでカブトムシならぬてんとう虫と呼ばれたそうです。
人気あったということは、ビートルの代わりにという人も少なくなかったかもですね。

当時「サブロク」と言われる360ccの軽自動車が盛り上がってたそうで、
他にホンダN360やマツダ キャロル360などなどたくさんあったそうです。
今見てもどのクルマもデザインが素晴らしいです。いや、ほんと素晴らしいです。

同時代のスポーツカー、トヨタ スポーツ800やホンダ S800も人気だったそうですね。
それぞれ「ヨタハチ」「エスハチ」と呼ばれてたそうです。
昔のこういう名称付ける感じ、良いですよね。名称というか愛称ですね。


このキットはレーシング仕様なので様々なステッカーが貼られていますが、この時代は
普段乗るクルマにもステッカーを貼ってました。若者中心ですが。

上の写真のクローバー模様のステッカーですが、RACING MATEというブランドです。
見つけましたので引用せずにリンク貼っておきます。興味のある方は覗いてみてください。

それを読むとVANもステッカーになってるのが理解できます。
街乗りのクルマでも貼られてたそうですよ。


僕はVANの服は着たことがありません。2歳くらいの時事実上倒産してるので、
リアルタイムでは無いです。ただ、倒産後も根強い人気で日本におけるIVYの象徴にまで。
そうなると僕が初めてVANにまつわるモノを所有することになるのはプラモデルです(笑)

IVYは1年に数回ファッション誌で特集組まれるのでVANのロゴはよく目にしてました。
僕ら世代だとHOT DOG pressってちょっとエッチなコンテンツの特集が組まれることが
多くなってはいましたが、80年代なんかはIVY特集を結構やってたそうです。
個人的には馴染みがないので意外でしたね。当時は小学生くらいなので見たことないです。

STPはオイル関連のアメリカのブランドですね。意外と見たことあるな〜となるロゴ。
今でもですが、スポーツ関連のスポンサーのロゴって印象に残るんですよね。
僕はフォント含めて60~80年代のデザインが好きなのでこういうの嬉しいです。

カルチャーって20年周期と一般的に言われています。
これらのクルマ、プラモデル、アイビースタイル、
それぞれジャンルは異なりますが、当てはまります。

偶然ではないかも知れませんね。


そして、見慣れた足跡のマーク。「HANG TEN」です。
僕自身も幼少期の70年代に何かしら見た事あるし、何か持ってたかも知れません。
当時はアメリカのサーフブランドという認識はありませんでした。

60年代半ばのカルチャーが見えてきますよね、この車見てると。
コレもプラモデルの楽しさだったりします。コレきっかけに色々調べましたしね。
知識の上積みが出来ます。

そもそも組み立てるにも塗るにもこのキットには情報が少なすぎるため実車の画像や
完成品の画像を探してみたりして参考にします。そうすると当時のこのクルマの宣伝の
ポスター画像なんかも出て来てその時代を感じる事もできました。

もともとこのキットはLSという会社が製造販売してましたが、倒産したため使用してた
金型をアリイ(現マイクロエース)が引き継いでる形となります。

80年代からの金型なのでそろそろ限界じゃない?というレベルではありますが、
ヒケやバリを丁寧に取り除けば実売600円ちょっとで十分楽しめるキットです。
ついつい同時に同シリーズの他の車種含めて6台組み立てました。

初心者の方にはお勧め出来るキットではないですが、素晴らしいキットです。

カルチャーの20年周期はほんとかもね、という話

4.18.2023

プラモデルに見るミリタリークロージング


何かのワンシーンのような写真ですが、コレ全てプラモデルになります。
1/35スケールなので大体5cmくらいのサイズです。

左からアメリカ歩兵、イギリス空挺兵、フランス歩兵、ドイツ歩兵、ドイツ戦車兵で
第二次大戦期の各国の兵士、士官のプラモデルです。




全てタミヤ のキットになります。タミヤの箱絵は昔も今も素晴らしいんです。
モデラーはこの箱絵を参考に塗装することもよくあります。
ディテールなんかも箱絵を参考にしてプラモデルにディテールを追加したりします。

上からアメリカ、ドイツ、フランス。

ミリタリーウェアというとカーキ、オリーブと何となく全部似たような色と思われてる方も
多いかも知れませんが、各国思ってるよりも色目が異なります。時代にもよりますが。

アメリカはいわゆるオリーブドラブ、ドイツはフィールドグレー、フランスはカーキ。
色だけでなくデザインやサイズ感など様々の違いがこの絵だけでも分かりますね。


タミヤの箱の情報というのは側面にもビッシリあります。


戦車や車両などの場合は説明書にビッシリ記載されており、歴史を知ることもできます。
2枚入っていて英文のものあるので何なら英語の勉強にも使えます。興味のあるモノを
使う語学勉強の方法は非常に有効的ですよね。子供にとっても。


こういった小さなパーツを切り出して成型を整えて接着していくと立体物が出来ます。

写真はアメリカ兵のモノで発売が一番新しいモノです。パーツのキレも違えば分割方法も
秀逸です。良くも悪くもスタイリッシュにもなっています。生産年代によって造形は
随分と異なるのもプラモデルの醍醐味だったりします。

1968年にタミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズの第一弾が発売されてます。
いつかそのキットもご紹介したいですが、そのキットには複数体フィギュアが付いてます。

40年、50年前のモノは参考にした人の体型をできるだけ忠実に再現したためなのか
今のものよりも横に広く縦が短いです。1/35スケールなので今のものが大体180cm超えの
スマート体型に対して175cmくらいののガッシリ体型といった感じなので納得できます。

ちなみに今回の5体の中ではフランス歩兵が一番古かったかと思います。2007年です。
その次が2013年のイギリス空挺兵、2017年ドイツ国防軍戦車兵、2020年ドイツ歩兵、
2022年にアメリカ歩兵といった感じでタミヤのフィギュアキットの中でも新しいモノ
ばかりなので並べてもあまり違和感ありません。アメリカ、ドイツ関連は他多数あります。

歴史あるタミヤだと尚更ですが、プラモデルというものは金型が残っていれば
今でも使えるので50年前のモノが今でも手に入り作れるんです。素敵ですよね。


「ちょっと待て」のポーズのフランス士官。非常にクラシカルでこの時代においては
実は少々時代遅れと言われてます。第一次大戦期からほとんど変わってないそうです。
逆に第一次大戦期には最先端とまではいかなくともちょっと先を行ってたそうです。
服や装備だけでなく戦車等も同様だった模様です。

この辺りからも開戦早々にドイツに敗戦したというのは納得ができます。

ですが、ファッションという面で見るとやはりフランスのこのクラシカルな洗練された
スタイルは非常に素晴らしく惹かれた人が多いのも納得です。


ロングコートを着てても走れるように裾をたくし上げてボタンで留めてます。
こういうディテールをプラモデルで見れるのは嬉しいです。余談ですが、この裾を
捲し上げた部分をより立体感を出すために境界線を掘り起こす作業をします。

生地もかなり厚手のため重かったでしょうし、機能という面では他国に遅れています。
兵器だけでなく車産業等の様々な産業において戦争というのは技術の発達に影響しており、
生地や繊維産業も例外ではありませんでした。

余談ですが、コレらフィギュアの中で一番ジブリっぽい兵士はフランス歩兵です(笑)


一方でアメリカ歩兵とイギリス空挺兵を見てみると装備品はしっかり持っていますが、
軽やかな印象です。ほぼほぼ現代に通ずるデザインになっています。

連合国、特にアメリカは戦時中にも様々なモノを開発してそれを大量生産して
自国だけでなく連合国へも供給したことが大きく戦況を変えたと思います。


そして、ドイツ歩兵とドイツ国防軍の戦車兵。ドイツってクラシカルではあるんですが、
ピシッとしてるんですよね。フランスほど曲線がなく直線的だからだと思います。

ドイツは大戦初期は圧倒的戦力だったように他国よりもかなり進んでいたようです。
水や燃料を入れるタンクのことをジェリカンと呼びますが、もともとはドイツ軍が
使用してたモノをイギリス兵が鹵獲して真似をしたそうで、ジェリー(ドイツ兵)カンと
呼んだのが由来だそうです。イギリスではほぼそのままのデザインで製造したそうです。

最終的には国力の差、数の差等が勝敗を分けた形となります。
この辺りはガンダムの地球連邦軍とジオン軍にもダブりますね。

ドズル・ザビが「戦いは数だよ、兄貴!」と言ったのはまさに真意で、1年戦争開戦時では
ジオン軍のモビルスーツの開発が進んでいたため優勢でした。また、次々と新兵器を
開発してましたが、量産が難しいものばかりだったんです。次第に形勢は逆転します。

一方、地球連邦軍はジムやボールなど生産性の高いモノを大量生産します。
ガンダム一強という見方もありますが、実際にはジムやボールが勝因と言えます。

と、話が逸れてしまいましたが、プラモデルから様々な情報を吸収することができ、
組み立てを楽しみ、塗装する楽しみもあります。



インターネットで様々な情報を知り得る事が出来るようになりましたが、個人的には
ちょっと深い話や写真なんかは結局は文献などから得ることが多いです。
こういう何気ない写真というのはリアリティもあるので参考になります。

ファッションに通じるものは様々なことから学ぶ事ができます。
その一つがプラモデルだよ、という話。